3年で枯れるジンクス
![パキポディウムグラキリスの育て方](data:image/png;base64,iVBORw0KGgoAAAANSUhEUgAAASwAAACpAQMAAACruZLpAAAAA1BMVEUAAACnej3aAAAAAXRSTlMAQObYZgAAAB1JREFUGBntwTEBAAAAwiD7p14ND2AAAAAAAAA8CRm/AAGYyH7VAAAAAElFTkSuQmCC)
こんにちはペトペンチアです。
今回は塊根植物の中でも人気の高い、パキポディウムグラキリスの育て方をご紹介したいと思います。
動画もご参考になると思います。
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記事を書いている私は【妻と二人の自宅園芸】というYoutubeチャンネルを2021年8月に開設し、エアプランツやビカクシダ、熱帯植物の育て方などをご紹介させて頂いております。
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3年で枯れるジンクス
実はパキポディウムグラキリスは、3年で枯れてしまうというジンクスがあるのですが
あることをすると本当に3年で枯れてしまいいます。
セレクトショップなどでも販売されているので、勘違いしてしまう方が多いのも仕方がないのかなと思いますが、皆さんなんだかわかりますか。
それは室内管理です。
観葉植物は基本的に耐陰性といってある程度の暗がりに、耐えることができますがキョウチクトウ科のグラキリスは耐陰性がありません。
なぜ耐陰性が無いのかをご説明する前に、室内管理だと3年で枯れるというのを聞いて、反対になんで3年も枯れないのと思った方も多いのではないでしょうか、実はパキポディウムグラキリスなどのコーデックスは、その肥大した塊根部分に水分とわずかな養分を蓄えています。
栽培に適した環境でないと3年目には、塊根内部の蓄えを使い切ってしまうため、新芽を出すことができずに枯れてしまいます。
逆説的に考えれば、室内管理をしていても2年はその姿を維持するので環境の見直しをしなくても状態異常が、個体に現れるまで1~2年はかかるという事になります。
今は元気そうに見えても株の内部に影響がある場合が多いので、枯れないように環境を整える必要があります。
ちなみに以前枯れたグラキリスを包丁でカットする動画を投稿しているので、塊根部分がどうなっているか見たい方はこちらをご覧ください。
ショッキングな内容になっていますので、ご観覧にはご注意ください。
自生地について
キョウチクトウ科パキポディウム属は、ギリシャ語で【太い】を意味するpachysと【足】を意味するpodosが組み合わさった、株の姿をそのままあらわした名前です。
原産地はアフリカ南部とマダガスカルの乾燥地帯になります。
丘陵(きゅうりょう)の岩場や
乾燥した平原などに自生しているため
日光を非常に好みます。
これが室内では育たない理由になります。
室内で管理するという事は、ガラス越しの光で育てるという事になりますが、殆どの建物ではUV遮光ガラスというものが使用されています。
このガラスを通過することで光量は8割もカットされてしまいます。
そのため多くの塊根植物は室内では光が足りずに弱ってしまいます。
実はガラス温室というものは最近では少なくなってきており、ガラスに見えてもポリカーボネットであることが多いです。
室内管理では育たない理由は他にもあり、室内では温度変化が乏しいため、成長ホルモンが上手く働かないというのも理由の一つです。
植物に季節を感じさせることも重要になります。
ここからは栽培カレンダーを見ながら、ご説明していきたいと思います。
【成長サイクル】
ご覧いただくとわかるように、11月から3月までの間は休眠期となります。
9月10月あたりから生育が緩慢となり落葉を始めます。
この時全ての葉が落葉しきるまで寒さに当てて管理することで、翌年花が咲きやすくなります。
これは季節を感じさせることで、成長ホルモンの活動を良好にすることができるからです。
3月から4月にかけて芽吹き始め、9月ごろまでが生育期となります。
【置き場所】
年間を通して日当たりの良い場所で管理します。
真夏の西日や直射日光では、葉焼けを起こす場合がありますが、その場合は徐々に強い光に慣らしていきましょう。
基本的にはできるだけ長時間、直射日光で育てると形が良くなります。
また5℃以下にならない地域では、年間を通して屋外で管理する方が良く育ちます。
反対に5℃を下回る地域では、室内の最も日の当たる窓辺で管理をし、出来れば植物育成ライトなどで、光を補うと尚安心して越冬できます。
【関連記事】
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またサーキュレーターなども使用すると良く育ちます。
植物育成ライトとサーキュレーターを使用することで年間を通して室内で管理することもできますが、植物育成ライトだけの光だけで育てるのは難しいので注意しましょう。
これは私が有名な園芸店でスタッフさんから聞いた話なのですが、そのスタッフさんが育てていたグラキリスの実生株4鉢を室内で育てていて、
2鉢は日光と植物育成ライト、
もう2鉢は植物育成ライトのみで
育てていたそうです。
冬場すべての株はペット用のカーペットで、温めながら管理していたそうですが、
植物育成ライトのみで育てていた、2株のグラキリスは枯れるというか、潰れるという表現が正しいという形になり、ダメになってしまったそうです。
太陽光は植物にとって、何かしらの恩恵があるのではと仰っていました。
植物育成ライトのみで育てることが、できないと言い切れませんが、日光とライトを併用する方が、枯れてしまうリスクを減らせるのではないかと思います。
【水やり】
3月から4月にかけての芽吹きに合わせて、水やりをスタートします。
9月までの生育期には用土が乾いたら、たっぷりと水を与えましょう。
ただし用土が乾いていないと、根腐れを起こしてしまうので、鉢の重さを覚えておいたり、竹串を挿しておいて、8割から9割乾いている状態が水やりのベストタイミングとなるので、ご参考にして頂ければと思います。
注意点
真夏の水やりは注意が必要なのですがご注意頂きたのは時間帯です。
日中の暑い時間帯に水を与えてしまうと鉢の中で水がお湯になってしまうことがあります。
これは根にかなりのダメージがあるので、早朝や夕方以降の涼しい時間帯に水やりをするようにしましょう。
さらに自生地は高温になる地域といっても、夜間には20℃前後に下がる場所が殆どです。
日本で真夏の熱帯夜が続く時期は夕方以降、株や葉の全体に霧吹きなどで水をかけて温度を下げるとより良く成長します。
生育期には少ない土、乾きやすい用土を使用している場合は、雨ざらしにする方が良く成長します。
梅雨時期は長い雨が続くので雨ざらしにはせず湿度も高いので数日晴れる日が無ければ、水やりはしない方が良いです。
気温が下がり落葉が始まったら徐々に水やりの回数を減らし、翌年芽吹くまで断水します。
【肥料】
芽吹きに合わせて元肥を施肥します。
4月後半から11月ごろまでは液体肥料などを月に1~2回程度与えます。
元肥にはマグァンプKを
液体肥料にはハイポネックスを
与えるのがお勧めです。
量は製品に記載されているサボテン用に合わせるのが良いです。
ちなみにマグァンプKは3号鉢で1g、5号鉢で2gです。
ハイポネックスは2000倍に希釈するのがサボテン用になります。
【作業】
芽吹きの時期から5月中旬ごろまで植え替えや種まきなどの作業を行うことができます。
パキポディウムグラキリスは、主に種まきで増やすことができます。
【害虫】
パキポディウムはハダニと
カイガラムシの被害にあいやすいです。
キョウチクトウ科とトケイソウ科の品種は、特にハダニの被害にあうことが多いので普段から風通しを良くしておく必要があります。
発生してしまった場合は歯ブラシなどでこするか、スプレータイプの薬剤を粉を飛ばすように吹き付けます。
私のお勧めは先ほど紹介したマグァンプKとハイポネックスに、ジノテフランという殺虫成分が配合されたマグァンプDと
ハイポネックス殺虫剤入りです。
このジノテフランという殺虫成分がかなり優秀で
- アブラムシ
- ワタアブラムシ
- コナジラミ
- アザミウマ
などに効果があると記載されていますが、個人的に調べてみると他にも
- シロアリ
- ノミ
- ダニ
- ハエ
- 蚊
- ゴキブリ
- キクイムシ
- ウンカ
- カメムシ
- ハモグリバエ
- カイガラムシ
にも効果があるそうです。
こちらの肥料を今年から使い始めて去年アデニウムの葉に発生した
アブラムシも今年は発生せず
去年ホヤレツーサに発生していた
カイガラムシも今年は発生していません。
そして塊根植物は今年害虫の被害にあっていません。
ちなみに室内で管理している観葉植物にもこちらの肥料を使用していますが、害虫の被害は去年からありませんが、今年コバエの量が激減しています。
【用土】
土はとにかく乾きやすいものがお勧めです。
ご自分で配合される場合は赤玉土5:日向土4:ゼオライト1で配合するのがお勧めです。
市販のものであれば、サボテン用の土がお勧めです。
私が使用していてとても気に入っている土は、プロトリーフの粒状かるーい培養土になります。
おすすめの理由は
・粒が大きく水はけがとても良い
・見た目で土の乾き具合がわかりやすい
・肥料がブレンドされている
というのがお勧めの理由です。
【発根管理】
マダガスカルから輸入されてくる株は現地球と呼ばれ、根を切断された状態で日本に到着します。
そういった株を発根させて、園芸店などで販売されますが、近年ベアルート株といった形で、未発根の抜き苗の株を購入することができるようになりました。
そういった株は安く購入できるのと、発根させる楽しみがあるため人気となっていますが、はじめてグラキリスを購入される方にはあまりお勧めできません。
安いと言っても数万円するものなので、失敗してしまうと園芸そのものを楽しめなくなってしまう可能性があるので、初めてであればぜひ発根済みの株をご購入頂きたいと思います。
参考資料
今回参考にした本は
ラクマ、メルカリ、自身のオンラインショップにてコウモリランの板付け・エアープランツの流木着生・塊根植物・ドライフラワーリース・スワッグなど、植物やハンドメイドの商品をペトペンチアという名前で多数出品しているので、もしご興味があればこちらのURLからショップまでお越しください。
![](https://i0.wp.com/petopentia.com/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/b3604c75c9488a77ca4242e8881e943b.jpg?resize=160%2C90&ssl=1)
またYouTubeのチャンネル登録をして頂くエアープランツを1つプレゼントしています。
動画でも植物の挿木、株分けの仕方、
鉢の作り方などのグリーンライフに役立つ情報を発信しています。
園芸の楽しさを私と妻、ご覧の皆様と共有できれば幸いに思います。
今回もご観覧頂きありがとうございました。
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