知らないと枯れる現地球と実生株の育て方の違い
こんにちはペトペンチアです。
今回はYouTube動画の視聴者さんからリクエストがあった、パキポディウムグラキリスの現地球と実生株の育て方の、違いをご紹介したいと思います。
自己紹介
記事を書いている私は【妻と二人の自宅園芸】というYoutubeチャンネルを2021年8月に開設し、エアプランツやビカクシダ、熱帯植物の育て方などをご紹介させて頂いております。
2023年9月に皆様のおかげで登録者数1万7千人を超えるチャンネルへと成長し、エアプランツやビカクシダ、熱帯植物の育て方などをご紹介させて頂いております。
他にもNFTアートクリエイターとして、執筆家としてオンラインの園芸店として、ビカクシダの板付けのワークショップなどの活動しておりますので、皆様と植物を通してご縁があれば嬉しいです。
【全ての活動のリンク】https://lit.link/petopentia
【執筆している本】
今回動画を作成するにあたってリサーチを行ったのと、初の実生株を購入しました。
恐らく実生1年くらいのものかなと思います。
【実生株とは】
ちなみに実生株とは、現地のマダガスカルから根を切断した状態で輸入されてくる
現地球とは違い
日本で種から成長した株のことを指します。
【現地球との大きな3つの違い】
- 値段
マダガスカルの現地株は大まかに2万円~5万円で売られています。
特徴的な形のものや大きい株になると10万円以上で売買されています。
近年多くの現地株がマダガスカルから日本に入ってきていますので、価格が以前よりは安くなりましたが、それでも1株で2万円以上するのが現状です。
実生株はネットなどで安く購入できある程度育った株も購入できます。
安いものであれば発芽から1年ほどの株で1000円~3000円程度で購入できます。
また種を購入すれば種から育てるという楽しさもあります。
ただ種は鮮度が良くないと発芽率がガクッと下がるので信頼できる方からご購入頂ければと思います。 - 形状
現地球のような丸みのあるユニークな形にはなりません。
原産地のマダガスカルという厳し環境の中で育った株はこういった形状に育っていますが、日本で実生として育つ株は
ある程度丸く、太くすることはできますが私の知る限り現地球のようにはなりません。 - 育て方
実生株は現地球と育て方は似ていますが、まだ小さい実生株は育て方が異なるのでここからは現地球と実生株の細かい育て方の違いを解説したいと思います。
【現地球の置き場所】
以前投稿したパキポディウムグラキリスの育て方ですが
パキポディウムグラキリスの育て方【自生地・成長サイクル・水やり・置き場所・肥料・害虫】
こちらの記事でもお話ししましたが、現地球は室内で栽培すると3年で枯れてしまうというジンクスがあります。
それは自生地のマダガスカルの環境が関係していてキョウチクトウ科パキポディウム属は、ギリシャ語で【太い】を意味するpachysと【足】を意味するpodosが組み合わさった株の姿をそのままあらわした名前です。
原産地はアフリカ南部とマダガスカルの乾燥地帯になります。
丘陵(きゅうりょう)の岩場や
乾燥した平原などに自生しているため
日光を非常に好みます。
これが室内では育たない理由になります。
室内で管理するという事はガラス越しの光で育てるという事になりますが、殆どの建物ではUV遮光ガラスというものが使用されています。
このガラスを通過することで光量は8割もカットされてしまいます。
そのため多くの塊根植物は室内では光が足りずに弱ってしまいます。
実はガラス温室というものは最近では少なくなってきておりガラスに見えてもポリカーボネットであることが多いです。
室内管理では育たない理由は他にもあり室内では温度変化が乏しいため成長ホルモンが上手く働かないというのも理由の一つです。
植物に季節を感じさせることも重要になります。
パキポディウムグラキリスの花を咲かせる方法として冬に入る前に屋外で全ての葉を落葉させるというテクニックがあるのはこのためです。
【実生株の置き場所】
ここで気になるのは実生株も外管理をするべきか、また冬の休眠期に入る前外で落葉させる方が良いかどうかですが、植物なのでいろいろな考え方があると思いますが、私がリサーチを行って出した結論は屋外で管理をして早めに屋内に移動させる方が良いという事です。
もちろん実生株であっても光量は必要で暗い場所では上手く育ちません。
また昼夜の寒暖差を感じさせることで、成長ホルモンを働かせることができます。
しかしまだ株が安定していないため極度の暑さと寒さには耐えられない可能性が高く、また極度な乾燥に耐えることもできません。
【現地球と実生株の水やり】
実生株は発芽させるために湿度を保つため腰水という
水を張った水盤などに鉢ごと浸し、鉢底から水分を吸い上げさせる方法で水を切らさないように管理するのが一般的です。
この管理は環境によって異なりますが発芽してから2カ月程行われます。
そのため現地球のように鉢の中の土が完全に乾いてから水やりを行うというサイクルは実生株の場合は、ある程度大きくなってから行う必要があります。
小さい株であればあるほど、水やりのタイミングが難しいと思われます。
またこの腰水から水やりに移行する際にトラブルが起こりやすく湿度を高く保っているためカビや細菌が繁殖しやすくなり
根から腐ってしまうことが良くあるそうです。
また根がある程度成長している状態で腰水管理を続けてしまうと、根腐れを起こしてしまうため、通常の水やりに移行するタイミングも重要となるようです。
私が購入した株は、発芽から1年ほど経過しているため完全な乾燥には耐えられないと思いますが鉢の中が8割ほど乾いてから、水を与えるのがベストだと思います。
さらに1年ほど経過すれば、鉢の中が完全に乾いてから、もしくは完全に乾いてから3日後というように、ある程度乾燥させて育てる方が良く育つようになっていきます。
【現地球と実生株の越冬】
冬の管理方法ですが現地球は冬に休眠期となり水やりをしない、もしくは少量の水やりで冬を越す方が翌年の芽吹きが速く調子が良くなりますが、まだ数ヶ月数年の実生株では休眠させてしまうと帰ってこなくなる可能性があります。
早めに室内に移動させて10度以上の温度を保ち、出来れば室内の最も明るい場所で植物育成ライトで光を補いながら風通しを良く、もしくはサーキュレーターを使用してより安全に冬を越すのが無難です。
植物育成ライト、サーキュレーターは必須ではありませんが、あるとより安心で生育を安定させられるとお考えいただければと思います。
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こちらの記事で詳しく紹介しています。
最安値!【799円】激安すぎる植物育成ライトその能力はいかほど!?ビカクシダとエアープランツで検証
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【実生株の管理の3つの注意点】
- 真夏の直射日光
発芽から数ヶ月数週間の株は、厳しい暑さにも耐えることができないので、真夏であれば直射日光が1日中当たるような場所で栽培している場合は、涼しい場所で管理するか遮光する方が良いです。
ちなみに現地球や発芽から数年経過して、安定した株は直射日光にできるだけ当てて育てる方が良く育ちます。 - 真夏の水やり
夏場は鉢にいっぱいの水が入っている状態で、直射日光に当たると煮えてしまい、根腐れを起こす可能性があるので、涼しい時間帯に水やりをするのがお勧めです。
これは現地球も同じです。 - 肥料を入れ過ぎない
現地球であれば少量の肥料、例えば元肥を施肥すれば追肥は
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殆ど使用する必要が無かったり、液体肥料のハイポネックスであれば
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サボテン用の2000倍という薄めで希釈するのが良いというように、厳し環境のマダガスカルでは肥料をもらえる環境にはないため、肥料を与えても少量というのがポイントになります。
実生株であれば発芽してから塊根部分が木質化するまでは肥料を与えると逆効果となってしまうので注意が必要です。
早くても発芽から半年から1年は肥料を与えず。
肥料の使用を開始してからも薄めに希釈をして様子を見ながら施肥して頂ければと思います。
【害虫被害について】
パキポディウムはハダニとカイガラムシの被害にあいやすいです。
キョウチクトウ科とトケイソウ科の品種は特にハダニの被害にあうことが多いので、普段から風通しを良くしておく必要があります。
発生してしまった場合は歯ブラシなどでこするか、スプレータイプの薬剤を粉を飛ばすように吹き付けます。
私のお勧めはカイガラムシスプレーと
マグァンプKとハイポネックスにジノテフランという殺虫成分が配合されたマグァンプDと
ハイポネックス殺虫剤入りです。
このジノテフランという殺虫成分がかなり優秀で
- アブラムシ
- ワタアブラムシ
- コナジラミ
- アザミウマ
などに効果があると記載されていますが、個人的に調べてみると他にも
- シロアリ
- ノミ
- ダニ
- ハエ
- 蚊
- ゴキブリ
- キクイムシ
- ウンカ
- カメムシ
- ハモグリバエ
- カイガラムシ
にも効果があるそうです。
こちらの肥料を今年から使い始めて去年アデニウムの葉に発生したアブラムシも
今年は発生せず
去年ホヤレツーサに発生していたカイガラムシも
今年は発生していません。
そして塊根植物は今年害虫の被害にあっていません。
ちなみに室内で管理している観葉植物にもこちらの肥料を使用していて、害虫の被害は去年からありませんが今年コバエの量が激減しています。
ただ1年での総使用回数が5回までとなっているので月に一度のペースで、やはり希釈は1000倍と薄めグラムは5グラムではなくその0.5グラム~1グラム程度でご使用いただければと思います。
この方法以外にも肥料を使いたくないという方には土に植える際にオルトランDXを
土にあらかじめ混ぜておくのも有効です。
根のトラブル
【細菌・カビの発生】
実生株は特に発芽から間もない株は、湿度を高く保つ必要があるため、細菌やカビが発生しやすい状態です。
葉や株に異変があれば根が最近に侵されている場合やカビの被害、また根腐れしていることもあるので一度鉢から出して
チェックをすると良いかもしれません。
また細菌やカビにはベンレートなどの殺菌剤を使用して
発生してる幹部に霧吹きで5回~6回水で2000倍に希釈した薬剤を散布して植えなおします。
【現地球と実生株の植え替えの注意点】
ここで現地球と実生株を植え替える際の注意点をお話ししたいと思います。
パキポディウムグラキリスの根は植え替えの際に千切れてしまうことが多いです。
慎重に植え替えを行っても根が切れてしまうことを前提に行って頂ければと思います。
切れた根からは腐敗しやすい状態となっているので植え替えから3日~1週間は水やりをせず明るい日陰で管理をします。
現地球であれば水が無くても3日から1週間ダメージが無くこの期間を乗り越えられますが
実生株では水なしで1週間耐えることができません。
株の大きさや環境によって異なりますが半日~3日ほど明るい日陰で乾燥させてから水やりをするのが良いと思います。
状態を見ながら水やりのタイミングをご判断いただければと思います。
という事でパキポディウムグラキリスの育て方現地球と実生株の違いを踏まえて、ご紹介させていただきました。
私の記事は植物大好きの私が本、ネット、詳しい方からの話自分の経験をベースに作成させていただいています。
私の情報が正しいというわけではなく少しでも皆さんの園芸に役立つ、もしくはなにかヒントになればと思っています。
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園芸の楽しさを私と妻、ご覧の皆様と共有できれば幸いに思います。
今回もご観覧頂きありがとうございました。
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