日本の気候に適した枯れない植物
こんにちはペトペンチアです。
今回はアガベの育て方をご紹介したいと思います。
動画もご参考になると思います。
自己紹介
記事を書いている私は【妻と二人の自宅園芸】というYoutubeチャンネルを2021年8月に開設し、エアプランツやビカクシダ、熱帯植物の育て方などをご紹介させて頂いております。
2023年9月に皆様のおかげで登録者数1万7千人を超えるチャンネルへと成長し、エアプランツやビカクシダ、熱帯植物の育て方などをご紹介させて頂いております。
他にもNFTアートクリエイターとして、執筆家としてオンラインの園芸店として、ビカクシダの板付けのワークショップなどの活動しておりますので、皆様と植物を通してご縁があれば嬉しいです。
【全ての活動のリンク】https://lit.link/petopentia
【執筆している本】
アガベとは
ギリシャ神話に登場するアガウェー
から名づけられたというアガベですが、その魅力は草姿のワイルドなカッコよさだと思います。
葉色も緑や
青みが入ったもの
黄色斑が入ったものなど様々なバリエーションがあります。
また刺の付き方も先端だけの種、
恐竜の歯のような刺をつける種があります。
こちらは私が育てているドラゴントゥースという種になりますが
名前の通りドラゴンの葉のようにワイルドな草姿をしています。
反対に棘が無く糸のようなフィラメントをつける種など様々です。
花を咲かせるのは一生に一度もしくは50年に一度と言われるくらいで
その前には大量の子株をつけるそうです。
自生地
自生地はアメリカ南部から中南米にかけての広い範囲で、西インド諸島、南アメリカ北部も含めて、221種が自生しています。
自生地から高温で乾燥している場所を好むという事が見てとれますが耐寒性があり日本での真夏の高温にも耐えるため、枯れる心配が少ないのも魅力の一つだと思います。
ここからは栽培カレンダーを見ながらご説明していきたいと思います。
成長サイクル
3月から6月、9月から12月の初めまでが生育期になります。
真夏や初冬は生育が緩慢となり、真冬は休眠期となります。
置き場所
年間を通して日当たりが良く、風通しの良い雨よけのある屋外が良いです。
パキポディウムグラキリスの育て方【自生地・成長サイクル・水やり・置き場所・肥料・害虫】をご紹介した時もお話ししましたが、室内ではアガベや塊根植物は育ちにくくなります。
室内で管理するという事は、ガラス越しの光で育てるという事になりますが
殆どの建物ではUV遮光ガラスというものが使用されています。
このガラスを通過することで光量は8割もカットされてしまいます。
そのため多くのアガベ、塊根植物は室内では光が足りずに弱ってしまいます。
実はガラス温室というものは最近では少なくなってきており、ガラスに見えてもポリカーボネットであることが多いです。
室内管理では育たない理由は他にもあり、室内では温度変化が乏しいため、成長ホルモンが上手く働かないというのも理由の一つです。
植物に季節を感じさせることも重要になります。
ただ真冬の休眠期は小さい株や、耐寒性のない種は室内で越冬する方が良いです。
大きな株でも霜に当たると、葉が傷んだり枯れてしまうことがあるので注意しましょう。
水やり
生育期の3月から6月、9月から12月の初めまでは用土が乾いたらたっぷりと、鉢底から水が流れ出るように水を与えます。
この時に葉も洗い流すように、水を与えるのがポイントです。
こうすることで虫や、微生物を洗い流すことができます。
真夏は水やりを少なくすることで、鉢の中が蒸れて根腐れしないように管理をします。
いわゆる締めて育てるという事になります。
また真夏は夜か早朝に水やりをすることで、日中に水を与えてお湯になってしまうことを防ぐようにしましょう。
1月2月の休眠期には水はほとんど必要ありません。
1ヶ月に1回軽く水やりをしましょう。
肥料
3月に植え替えや、株分けしながら元肥を施肥しましょう。
もともとそこまで肥料を必要としないので追肥はしません。
元肥のおすすめはマグァンプKです。
ちなみに抜き苗の状態で土が無くても半年は状態を維持できるそうです。
作業
3月~4月、9月~10月の生育期の初めに植え替え、株分け、種まき、仕立て直しを行うようにしましょう。
用土
土はとにかく乾きやすいものがお勧めです。
ご自分で配合される場合は赤玉土5:日向土4:ゼオライト1で配合するのがお勧めです。
市販のものであればサボテン用の土がお勧めです。
私が使用していてとても気に入っている土はプロトリーフの粒状かるーい培養土になります。
おすすめの理由は
- 粒が大きく水はけがとても良い
- 見た目で土の乾き具合がわかりやすい
- 肥料がブレンドされている
というのがお勧めの理由です。
害虫
アガベは
- ハダニ
- カイガラムシ
- アザミウマ
- シャクトリムシ
などの被害にあうことがあります。
害虫の食害にあうことで、大きなダメージになってしまうこともあるので、普段から観察しておくことと、対策を講じることが重要です。
害虫が発生してしまった場合歯ブラシなどでこするか、スプレータイプの薬剤を粉を飛ばすように吹き付けます。
それでも卵が付いていたり、害虫の発生が頻繁にあるようであればオルトランDXをしようするのもお勧めです。
実際に私はマグァンプDという肥料にジノテフランという殺虫成分が配合されたものを使用しています。
元肥を施肥しない代わりに生育期に、マグァンプDを数グラム使用することで害虫の被害にあっていませんし、生育も順調です。
ジノテフランという殺虫成分がかなり優秀で
- アブラムシ
- ワタアブラムシ
- コナジラミ
- アザミウマ
などに効果があると記載されていますが、個人的に調べてみると他にも
- シロアリ
- ノミ
- ダニ
- ハエ
- 蚊
- ゴキブリ
- キクイムシ
- ウンカ
- カメムシ
- ハモグリバエ
- カイガラムシ
にも効果があるそうです。
こちらの肥料を今年から使い始めて、去年アデニウムの葉に発生したアブラムシも
今年は発生せず
去年ホヤレツーサに発生していたカイガラムシも
今年は発生していません。
そして塊根植物は今年害虫の被害にあっていません。
ちなみに室内で管理している観葉植物にも
こちらの肥料を使用していますが、害虫の被害は去年からありませんが今年コバエの量が激減しています。
ちなみにハイポネックス殺虫剤入りという、ハイポネックスにジノテフランが配合されたものもあります。
アガベの耐寒性
アガベを冬に屋外で管理した結果、種類によってダメージがあったりなかったりしたのでどんな状態で冬を越したのか、またダメージを受けた株を縦割りで増やす実験を行いたいと思います。
今回屋外で管理した株は
バーントバーガンディ
イシスメンシス
ピグマエアドラゴントゥース
クプレアータ
ホリダペロテンシス
の5種類です。
屋外で管理できることが証明できれば、皆さんにも室内に栽培スペースがない方や他のご家族に理解されない方でも、安心して育てられるかなと思います。
ちなみに私は関東地方での越冬となりますが、最も寒い日で-2℃を記録しました。
植物は風に当たることで感じる温度がさらに-2℃から-3℃と言われているので、風が強いかどうかも気にされると良いのではないかなと思います。
それでは状態を見ていきましょう。
まずは
バーントバーガンディ
こちらは無傷です。
寒さによるダメージは全くと言っていい程です。
11月に撮影したものと比べても殆ど変わっていませんね。
安心して育てられる品種だと思います。
ちなみに水やりは12月の晴れが続いたときに1度だけ鉢底から流れるくらい水を与えています。
全ての品種で共通して同じ水やり方法です。
12月から3月までその1度だけの水やりで置き場所はバルコニーだったので雨が風で吹き込めば株に雨が当たるような状態で育てていました。
断水というわけではないので完全な断水の方が安全かもしれません。
アガベは半年根がむき出しの状態で鉢から抜いてあって、水を与えなくても枯れないそうです。
続いては
イシスメンシス
小さな株が数株ついている状態ですが、かなりダメージがありました。
綺麗な葉は茶色く、目に見えてダメージを負っていますが、完全に枯れているわけではないというような状態です。
調べてみるとイシスメンシスは-1℃まで耐えられるそうなので、-2℃にはギリギリ耐えられなかったようです。
それに加えてまだ大きくない株だったので、耐えることができなかったのかなと思います。
続いては
ピグマエアドラゴントゥース
かなりダメージがあります。
特に下葉は枯れて黄色を通り越して茶色くなっています。
ドラゴントゥースは0℃まで耐えられるそうなので、完全に断水して越冬すれば、ダメージを少なくできるかもしれません。
続いては
クプレアータ
ダメージは殆どありませんが、葉が大きくなり若干徒長気味です。
1度水やりを行いましたが、水やりは行わずに管理すれば徒長も防げたかもしれません。
最後は
ホリダ・ペロテンシス
下葉がシワシワになっていますが、枯れてはいないので、今後の育て方で復活してくる可能性は高いと思います。
もともと徒長して葉が開いていたので、同切りか縦割りでリセットをかけようと思っていました。
アガベの増やし方
という事で今回ダメージを大きく負った、ドラゴントゥース、イシスメンシス、ペロテンシスを縦割りしていきたいと思います。
ドラゴントゥースは下葉が徒長して、内側にカールしていたので同切りしたいと思っていたのですが
上部の葉も寒さで傷んでしまったので、全て縦割りしていきます。
縦割りの手順
- カッターや包丁で縦に切断する
- 生長点を切り取る
- ダコニールを塗布する
- 切断面がくっつかないように石などを挟む
子株の外し方
まずはドラゴントゥースに子株が付いていたので外していきたいと思います。
ちなみにアガベの子株はカキコと言います。
外し方は手でなるべく根元の方をつかみ左右に揺らしながら外します。
上部をつかんでしまうと根元が折れやすいのでご注意ください。
また小さいと大きくなるのに時間がかかるので、5㎝以上になってから外すのがお勧めです。
子株の発根管理
根がある場合
ドラゴントゥースには根があるので、サボテン用の土などで植えるのがお勧めです。
私は粒状かるーい培養土で植えました。
根が少しある場合
株分けしたイシスメンシスには少量の根がありました。
まだ発達していないので、市販の土には肥料成分が含まれているという事を考慮して、挿し芽種まきの土に植えました。
根が無い場合
今回株分けをしたイシスメンシスですが、根がないものがありました。
こういった根の無いカキコは水苔を使って発根させます。
方法は簡単で
- 水苔を湿らせる
- カップに水苔を入れる
- 水苔の上にカキコを乗せる
これだけです。
実験から2ヶ月後
という事で縦割りを行ってから2ヶ月以上が経過したので、状態を見ていきたいと思います。
縦割り
まずはドラゴントゥースですが
子株がかなり出てきています。
縦割り成功と言えるのではないかなと思います。
続いては
ホリダ・ペロテンシス
こちらは実はアクシデントがあり、私の不注意で落としてしまいました。
ですので半分がなくなっています。
ただもう半分から子株が1株吹いてきています。
実はもう半分には数株の子株が付いていたので、本当はこちらも大成功と言えたんですが
とても残念です。
アガベは形状がユニークなので、鉢を持ちにくかったりします。
皆さんも扱う際にはご注意ください。
最後に
イシスメンシスですが
こちらは見る影もなく枯れてしまいました。
みるみる弱っていき最後にはこの通り無残な姿となりました。
原因としては寒さによるダメージがあったこと、また株が小さかったこと、もしくはイシスメンシスが、縦割りで増やしにくいということも考えられますが、私は大きさが原因かなと思っております。
ペロテンシスが縦割りで増やすことに成功しているので、大きさとしては直径15㎝ほどあれば成功しやすいと言えるかもしれません。
子株
そして保護した子株なんですが、水苔で発根させていた株を見てみたいと思います。
見事に発根しています。
また生育も順調です。
初期に外側の葉が腐ってしまったので剥がすという作業を行っています。
土に植えていたイシスメンシスとドラゴントゥースなんですが、何度かドライアウトさせてしまったので弱っています。
一度鉢から出して様子を見たいと思います。
ドラゴントゥースの子株は根が枯れている部分もありますが、成長を続けている部分もあるので、水切れに注意して管理を続けたいと思います。
イシスメンシスは思ったよりも根が成長していました。
こちらも水切れに注意したいと思います。
といことでアガベの育て方、増やし方をご紹介させて頂きました。
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園芸の楽しさを私と妻、ご覧の皆様と共有できれば幸いに思います。
今回もご観覧頂きありがとうございました。
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