基礎知識を知れば枯らさない⁉
こんにちはペトペンチアです
今回はビカクシダに興味があり購入しようとしている方、
購入して日が浅い方、基礎知識を付けたい方のために
ビカクシダの育て方を紹介したいと思います。
動画も投稿しているのでこちらもご参考になると思います。
自己紹介
記事を書いている私は【妻と二人の自宅園芸】というYoutubeチャンネルを2021年8月に開設し、エアプランツやビカクシダ、熱帯植物の育て方などをご紹介させて頂いております。
2023年9月に皆様のおかげで登録者数1万7千人を超えるチャンネルへと成長し、エアプランツやビカクシダ、熱帯植物の育て方などをご紹介させて頂いております。
他にもNFTアートクリエイターとして、執筆家としてオンラインの園芸店として、ビカクシダの板付けのワークショップなどの活動しておりますので、皆様と植物を通してご縁があれば嬉しいです。
【全ての活動のリンク】https://lit.link/petopentia
【執筆している本】
ビカクシダとは熱帯地域に生息する着生植物です。
コウモリランとも呼ばれますがランではなくシダの仲間になります。
英名は(Staghorn fern)で直訳するとスタッグホーンは鹿の角、ファーンはシダです。
和名のビカクシダは漢字ではこのように麋角羊歯と書きます。
まずビカクシダを失敗しないように育てるために生息地と構造を理解して頂ければと思います。
こちらの地図をご覧ください。
自生地
ビカクシダの原種は18種類存在しますが、大きく4つのグループに分けると
- タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシアなどの【東南アジア】
- オーストラリア原産の【オセアニア】
- アフリカ大陸とマダガスカル島に分布する【アフリカ】
- ペルーやボリビア原産の【南アメリカ】
に区分することができます。
初心者向けの品種
初心者の方にお勧めのビカクシダの品種が生息する地域は
オセアニアグループの品種となりますが、
理由は3つあり
- 1つ目はオーストラリアの気功が比較的日本と近いという事
- 2つ目は寒さに強い品種が多いこと
- 3つ目は乾燥に強い品種が多いこと
日本の環境は四季によって大きく変わるため、熱帯植物であるビカクシダにとっては過酷 な環境となります。
しかしビカクシダの中でもその環境の変化に順応する能力が高い品種があり、それがオセアニアに分布する品種のビカクシダとなります。
オセアニアに分布する原種は5種類存在します。
- ウィリンキー
- ベイチー
- ビフルカツム
- ヒリー
- スパーバム
この中でも最も流通量が多く育てやすい品種がビフルカツムという品種で、
正式にはプラティケリウム・ビフルカツム・ネザーランド(Platycerium Bifurcatum Netherlands)といいます。
草姿がウサギの耳に似ていることが名前の由来となっています。
園芸店やホームセンターなどで品種の記載がなく、ビカクシダやコウモリランとして販売されているのが、こちらの品種になります。
最低気温15℃以上・25℃以下の環境が望ましいビカクシダですが、ビフルカツムは冬でも雪や霜に触れなければ屋外での越冬が可能です。
もちろん室内の暖かい場所で管理するのが無難ですが、その強さゆえに過酷な環境に耐えることができます。
ビカクシダの構造
ビカクシダの構造についてですが、ビカクシダは2種類の異なる葉と根で形成されていて、葉にはそれぞれの役割があります。
胞子葉と呼ばれる葉の役割
鹿の角のような草姿で太陽に向かって伸びていき光合成をし、成熟すると葉の裏に胞子をつけます。
大多数のビカクシダは胞子葉の表面が星状毛と呼ばれる白い毛で覆われています。
私は初めてビカクシダを購入した時にこの星状毛を埃だと勘違いしていましたが、この星状毛には強い日差しから葉を守る、過剰な蒸散を防ぐなどのとても重要な働きがあります。
また星状毛はトリコームとも呼ばれます。
胞子葉は数カ月から2年ほどで黄色く変色し根元から抜け落ちます。
古い葉が黄色くなるのは自然な事ですので、触って取れるくらいまではそのままにしておきましょう。
剪定すると菌が入り込んだり生長点を傷つける可能性があるので注意しましょう。
貯水葉と呼ばれる葉の役割
根元に張り付くように成長する葉で、その名の通り水分を蓄えます。
これは土から水分や養分をもらえない着生植物ならではの特徴です。
多くの種類で上部が冠のような形に広がっているのは雨水などの水分を根元に運ぶためです。
また虫や鳥の糞、落ち葉などを集めてバクテリアによって分解することで養分にします。
これは樹木などに着生して生きるビカクシダの戦略と言えます。
貯水葉は成長が終わると茶色く枯死します。
枯死した貯水葉は水分を保持する能力があり根を乾燥から守ります。
貯水葉が枯れても生長点に動きがあり、黒くなったりしていなければ問題ないので焦らなくてOKです。
ビカクシダの心臓
ビカクシダの構造の中で最も重要な部分がリゾームと呼ばれる生長点になります。
全ての葉はこのリゾームから発生し、成長を始めるまで胞子葉か貯水葉か判断することはできません。
また品種によって胞子葉と貯水葉の成長はターン制となっていて、胞子葉が成長する時には貯水葉は成長しないということもあります。
このリゾームと呼ばれる生長点を傷つけると命取りになるので生長点だけは死守しましょう。
購入時に生長点を確認
- 生き生きとしているか
- みずみずしいか
- 動き出す気配はあるか
上記を指標にすればより強く美しい株を迎え入れることができると思います。
そして迎え入れたビカクシダの管理の仕方ですが、一般のご家庭で最も失敗しない管理の仕方を紹介します。
置き場所
年間を通して明るい半日影となる場所に置きましょう。
この半日影というのは1日のうち半分くらい日光が当たる場所、もしくは日なたの半分くらいの明るさがある場所であるということです。
1日中直射日光に当たり続けていると葉焼けしてしまい大きなダメージとなる可能性があります。
また成長期である春から秋にかけては風通しの良い屋外で管理し、冬の寒い時期は状態を維持するため室内で管理するのがおすすめです。
室内で健康な株を育てたいという方には植物育成ライトや、サーキュレーターを使用するのもおすすめします。
ただ植物育成ライトって高いしどれを使えばいいかわからないという方もいらっしゃいますよね。
そんな方はこちらの関連記事最安値!【799円】激安すぎる植物育成ライトその能力はいかほど!?ビカクシダとエアープランツで検証をご覧いただければ参考になると思います。
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水やり
春から秋にかけての成長期は植え込み材の表面が乾いたら水を与えます。
表面を触ってみて、乾き具合を確認してみましょう。
冬は水を必要としなくなるので植え込み材が完全に乾いてから水を与えます。
株を鉢や板ごと持ってみて軽いなと感じたるまで水やりは控えましょう。
本当に心配になるくらい軽くなるので軽い状態と重い状態を感覚で覚えておくと良いと思います。
ビフルカツムは乾燥にも湿気にも強いのでそういった感覚を養うのに、とても良いパートナーになってくれます。
肥料
春から秋にかけての成長期には最低気温15℃以上・25℃以下の時に肥料を与えます。
お勧めはハイポネックスを2000倍に希釈して週に1回与えると生き生きとしてきますし、肥料過多になることもありません。
もう一つはマグァンプDです。
粒状の肥料になっているので板付けなら上にパラパラっと撒いて、鉢植えであれば株から遠い場所にパラパラっと撒きます。
害虫予防にもなるのでこちらもお勧めです。
マグァンプDについてはこちらの関連記事で詳しく解説しているので、知らないと損⁉マグァンプKとマグァンプDの4つの違い【自宅園芸】バルコニーガーデニング
こちらがご参考になると思います。
植え替え・株分け
安全に植え替えや株分けを行うには気温が安定する初夏に行うのが安心です。
初めての株分けは自分の手でブチブチと引きはがしていく作業になるので恐怖を感じると思います。
ですがビカクシダは非常に強い植物なので思い切って作業して頂いて問題ありません。
こちらのビフルカツムは株分けをした際に、胞子葉1枚と根だけになってしまったのですが、水苔で巻いて管理していたらこのように新芽が出てきてくれました。
リゾームだけ傷つけないように作業すれば大丈夫なのでぜひチャレンジしてみてください。
初心者の方に知っておいて欲しいこと
鉢植えと板付けどちらが良いかという事について、それぞれのメリットとデメリットがあります。
鉢植えのメリット
鉢植えのメリットはとにかく管理がしやすい、プラスチックの鉢であれば植え込み材が乾燥してくるのには時間がかかるため、水を与える頻度が少なくなり手間がかかりずらいです。
また複数の株を同じ鉢の中で育てることができるのでスペースを小さくすることができます。
鉢植えのデメリット
鉢に植えられていると鉢の形状に貯水葉が依存してしまうため、本来の美しい姿にすることが難しくなります。
また子株が出てきて隣り合っていると貯水葉同士が障害となりが屈折してしまいます。
ただ生育において問題はないので、特に初心者にお勧めの管理方法と言えます。
板付けのメリット
板付けは何といっても着生植物のビカクシダ本来の姿を引き出す管理の方法で、貯水葉は平らに広く伸び、胞子葉は太陽に向かって上に伸びていく姿を作り出すことができます。
また吊るすことによって、壁や天井に飾ることができ床にスペースを作ることができます。
板付けのデメリット
鉢植えよりも管理が大変です。
本来の姿となったビカクシダはより早く成長するためミズゴケを足したり、付ける板を交換したりという手間が増えます。
また鉢のように植え込み材が覆われていないため、水を与えるペースが速くなります。
それぞれのメリットデメリットを理解して、ご自分にあった管理方法で育てて頂ければ幸いです。
枯らしてしまう原因ナンバー1
枯れしてしまう1番の原因は根腐れです。
これは水の与えすぎによっておこることが多いです。
根腐れを回避するには毎日状態を見るというのがお勧めです。
水やりのタイミングがとても重要なので、ご自宅の環境にあった水やりを極めて頂ければと思います。
参考資料
こちらの本を参考にして今回の記事・動画を作成しました。
希少な品種の写真なども掲載されていてとても可愛い本です。
ラクマ、メルカリ、自身のオンラインショップにてコウモリランの板付け・エアープランツの流木着生・塊根植物・ドライフラワーリース・スワッグなど、植物やハンドメイドの商品をペトペンチアという名前で多数出品しているので、もしご興味があればこちらのURLからショップまでお越しください。
またYouTubeのチャンネル登録をして頂くエアープランツを1つプレゼントしています。
動画でも植物の挿木、株分けの仕方、
鉢の作り方などのグリーンライフに役立つ情報を発信しています。
園芸の楽しさを私と妻、ご覧の皆様と共有できれば幸いに思います。
今回もご観覧頂きありがとうございました。
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